常足庵備忘録

注:メモ書き程度なのでくれぐれも参考になさらぬよう

正法眼蔵 開示悟入別各巻目次□ 悟之帙

正法眼蔵』は道元禅師がご生涯かけて説かれた、曹洞宗の仏法とも謂うべき書です。

九十巻ほどにもなる一大書物に取り掛かるには相当な精神と知力を要しますが、まず手にとって見たいという初心には開示悟入の四分別で区切りをつけ、その上全体を雑観する手がかりと参考になればと、各巻表題についての概説をまとめてみました。

正法眼蔵 開示悟入別各巻目次

開示悟入の分別、各巻の順は本山版正法眼蔵(九十五巻)に倣い、各巻の概略は一部を除いて岩波文庫正法眼蔵』水野弥穂子注釈のものです

□ 悟之帙

夢中説夢

「一般に、夢中説法とは、夢の中でさらに夢を説くはかないことを言う。しかし、我々の真実は夢と本質的に異なることがなく、夢としての真実をかさねていく事を説く」

道得

「仏祖の大道はその真実を道得ることがなければならないことを説く。この道得は言葉だけでなく修行の表現である」

畫餠

「画にかいた餅は飢えを充たさずと普通に言われるが、真実のあり方を画餅と説く」

全機

「生も死も、生を透り抜け死を透り抜けて、真実の全現成であることを説く」

都機

「月の万葉書き。都は全の意味であるから、全機に通じる」

空華

「空華は眼病を患った人が空中に見るものと言われるが、ここでは我々の生きている真実が空華であることをいう」

古佛心

「古仏心とはいかなるもの事実かを、南陽慧忠の語によって説く」

菩提薩埵四攝法

「菩提薩埵四攝法といわれる布施・愛語・利行・同事について説く」

葛藤

「複雑に絡まる葛藤は、裁断して解脱を得るものと一般には見られているが、諸法実相であり、尽十方界真実人体である正伝の仏法の中では、自己は常に自己の真実とからみ合って離れる時がない事を説く」

三界唯心

「一般には欲・色・無色の三界は相対の世界であり、出離すべきものとされるが、ここでは三界がそのまま、ただ一つの真実であることを説く」

説心説性

「一般には説心説性とは、心と性とを分けて説くが、仏道では心という生きている真実、性という自己の正体は、説くことにおいて一つであることを教える」

佛道

仏道は学仏の道業、すなわち仏としての生き方を学ぶのであって、三教一致や禅宗五家の称を言うべきものではないことを説く」

諸法實相

法華経諸法実相仏道の実際から説く」

密語

仏道には自己の真実に親密な語があることを説く」

佛經

「仏の教えを書いた経巻は、自己の正体と同じ真実であることを説く」

無情説法

「無情は有情に対するものではなく、自己の正体が人間の情識を離れたものであり、その正体が法を説くことをいう」

法性

「法性は真如の異名とも言われるが、自己の正体である諸法と万法の真実のほかにあるものではないことを説く」

陀羅尼

「総持、能持と訳す。善法を失わないようにし、悪法が起こらないようにするはたらきをいう。ここは自己の正体が、陀羅尼としてはたらく修行の肝要を説く」

洗面

「洗面が仏行であることを説く」

面授

「正伝の仏法は師と弟子が顔を合わせて修行するところに伝わることを言う」

坐禪儀

「正しい坐禅の仕方を説く」

梅花

「外にあるものと思っていた梅花が、自己の正体、正法眼蔵涅槃妙心と別のものでないことを示す」

十方

「仏法では、東西南北四維上下の十方が、自己のところにあることを説く」

見佛

「仏を見るとは、自己の正体、万法の真実の仏を見ることであり仏の見成であることを説く」

遍參

「遍参ということは、師を求めて行脚することではなく、只管打坐して自己の正体を究めつくすことであることを説く」

眼睛

「真実を見きわめる眼睛は修行によって得られることを説く」

家常

「喫茶喫飯が仏道修行であり、仏祖の慧命を継ぐことであることを説く」

龍吟

「坐禅が枯木裏の龍吟であることを説く」

春秋

「寒の到来を秋とし、暑の到来を春と見て、孔子の「春秋」にかけて題とする」

祖師西來意

「香厳の話頭から西来意を説く」