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常足庵備忘録

曹洞宗常足庵住職の備忘録です

周梨槃特の掃除

周梨槃特(チューラパンタカ)

私のいた修行僧堂には「プロの掃除エキスパート」みたいな、クリーニングアイテム満載の千手?周梨槃特の木像がありました。

作務が修行の禅宗らしい感じがしますが、周梨槃特は特に掃除が得意だったわけではないのです。

初期禅宗でも言われているように掃除ばかりしてたら「怠けずに修行しなさい」と叱られるのが仏教です。

ということで、ちょっと周梨槃特メモ書いておきますね。

周梨槃特は金持ちの商人の娘が、家の召使と駆け落ちして生まれた子供と言われています。路上で生まれた兄はマハーパンタカ(大路の子)次の子がチューラパンタカ(小路の子)と名づけられました。

成長したのち、兄のマハーパンタカが出家し阿羅漢果を得たことにより、弟のチューラパンタカも後を慕って出家し、懸命に頑張りましたが、彼はごく短い偈さえも四か月たっても覚えられず、兄のマハーパンタカも還俗させることを考えたそうです。

その偈は

「よき香りの紅蓮コーカナダは 朝に花咲き、香りが失せず。見よ、そのように輝かくアンギーラサを、空に輝く太陽の如し」です。

『Padumaṃ yathā kokanadaṃ sugandhaṃ, pāto siyā phullam avītagandhaṃ.

 Añgīrasaṃ passa virocamānaṃ , tapantam ādiccam iv' antalikkhe'. ti"』

さて、それを知った仏は白い純白の布をチューラパンタカに手渡し、

「チューラパンタカよ、「塵を除く、塵を除く」『rajyoharaṇṃ rajyoharaṇan』と唱えながらこの布で拭き掃除をしなさい」と命じました。

彼は手中の布の汚れ行くのを観じて無常を悟ったと言われています。

その時、チューラパンタカの悟りを神通で知った仏の唱えられた言葉が次の法句25偈ということです。

『奮起によって務めによって、自制によって調御によって、暴流さえも流されない島を賢者は作りうる』

渇愛や邪見、無智という暴流)

道元禅師はこれを「中々世智弁聡明なるよりも鈍根なるようにて切なる志を発する人、速やかに悟りを得るなり。如来在世の周梨槃特のごときは、一偈を読誦することも難かりしかども根性切なるによりて一夏に証を取りき。只今ばかりが我が命は存ずるなり。死なざる先に悟りを得んと切に思ふて仏法を学せんに、一人も得ざるはあるべからざるなり」(正法眼蔵随聞記二―20)と語られました。無常迅速の教えですね。

「塵垢の除去」と言うと、神秀の「時時に勤めて払拭せよ、塵埃を惹かしむること勿れ」を思い出してしまいますが、重ねてしまうと、周梨槃特はなんだか漸悟修行で頓悟しちゃったみたいな・・(笑)